|一考察、私による|
私は大きな読みが違いをしていたのだ.物語について.逆だった.
しようが、しまいが、もうすでに私は巻き込まれているのだ.
考察と言えば、聞こえは良いが、単に私の想像であって、それ以上のものではない.検証する術もないのだ.
物語に意図せず巻き込まれ、物語の中で物語を読み、挙句の果てには自分の祭壇を探し求めていた私が、考えた事、思った事をとりとめなく、まとまりないままに.
さあ、小夜、考察を始めよう.私が、お前に近づくために.
先ず登場人物について
小夜の母について、出自.
ここにおいても私は、読み間違えていたのだ.最後のダンス.
最後のダンスとは、物語、列車の記述により産業革命以降、写真機の記述により19世紀半ば以降、カラーポジフィルム ( 恐らく、小夜の父による蝶の標本の撮影はポジフィルムによって行われた.小夜の幻視、吊るされた透明のフィルムに映る蝶の記述による ) の記述により20世紀初頭以降、切手の記述により、がい灯記述により、の物語と推定される.
但し、小夜が生きた年数は、あまりに多く、それは数えられないほどであり、そもそも数えるという概念が通じない、“時間”とは異なった、むしろ、距離のようなものであろうか.
その距離と時間の、蛇の円弧
小夜の自慰.
物語、列車の記述により産業革命以降、写真機の記述により19世紀半ば以降、カラーポジフィルム ( 恐らく、小夜の父による蝶の標本の撮影はポジフィルムによって行われた.小夜の幻視、吊るされた透明のフィルムに映る蝶の記述による ) の記述により20世紀初頭以降、切手の記述により、がい灯記述により、の物語と推定される.
但し、小夜が生きた年数は、あまりに多く、それは数えられないほどであり、そもそも数えるという概念が通じない、“時間”とは異なった、むしろ、距離のようなものであろうか.
その距離と時間の、蛇の円弧
物語における小夜の移動の経路、各区画の性質.
小夜、誕生.
塗師の女の言葉によれば、小夜、[ 蛇潜り、漆芸の家 ] の敷地、禁足の場である [ 蛇晒し ] にて、物語に書かれているような儀式により誕生.記述はないが、誕生後、すぐか、ある一定の期間をおいて後、おそらく蛇潜りの無人のホームから列車で [初原、行列する集落 ] へと移動.行動を共にしたのは、小夜の実の母である漆芸の家の女主人であろう.
何かから、或いは、何者かからか、小夜を隠す必要があったのかもしれないし、ただ単に、小夜の成長の目的において、その目的とは何であるのかまでは分からないが、その場合、女主人だけではなく、職工もともに、分からない.
[ 初原、行列する集落 ]
輪郭の滲んだ物語は、この区画から始まる.
[ 蛇潜り、漆芸の家 ]
輪郭の滲んだ物語は、この区画から始まる.
物語の時代背景.
物語、列車の記述により産業革命以降、写真機の記述により19世紀半ば以降、カラーポジフィルム ( 恐らく、小夜の父による蝶の標本の撮影はポジフィルムによって行われた.小夜の幻視、吊るされた透明のフィルムに映る蝶の記述による ) の記述により20世紀初頭以降、切手の記述により、がい灯記述により、の物語と推定される.
但し、小夜が生きた年数は、あまりに多く、それは数えられないほどであり、そもそも数えるという概念が通じない、“時間”とは異なった、むしろ、距離のようなものであろうか.
その距離と時間の、蛇の円弧
数について.時には無数の記述.
物語において、数と数を数えることは蛇潜り漆芸の家以降、たびたび記述される.
無数、数を数えるが、振動によって乱され数が分からなくなる.
蛇の棲み家、夢において、いまだ夜が小さいがゆえに、数を数えること能わぬがゆえに・・・の記述.
それがどのような意味を持っているのか、
多くの数が一つになったときに、
何かが欠落していた、まだ、数が有効であった、それが欠落か?
数か所、無数の記載も見られる.無数ではないが、物語においては無数は扱われない.無数ではあるが、決してそうではないのである.
小夜の父について.
小夜について.
蛇の円弧.
この物語、
登場人物の同期と分散.
騒めく部屋について.
夜.
物語の中で扱われる“ 夜 ” は、[ 初原、行列する集落 ] の夜、[ 蛇潜り、漆芸の家 ] の夜、[ 輪郭の滲んだ町 ] の夜、この3種類.[ 闇 ] は夜とは異なるので、ここでは考察から外す.
これらの夜について、一度整理、
[ 初原、行列する集落 ] の夜は、朝~夕~夜、この一連の循環の中で必ず訪れる夜である.通常私たちが経験する夜とさほど変わらない夜であろうか.
[ 蛇潜り、漆芸の家 ] の夜は、比較によって認識される夜である.物語によれば、
[ 輪郭の滲んだ町 ] の夜は、何ら比較によらず、その根底に横たわるような夜である.[ 蛇潜り、漆芸の家 ] の夜は暗く、しかし、[ 輪郭の滲んだ町 ] の夜については、暗いとも限らないような夜であろうか.
※夜、私は真っ先に十字架の聖ヨハネの事を思い出したのであるが、夜の質が異なっているのである.この物語で扱われる夜は、なんと残酷で、その正体を現さず、なんと、その夜は、小夜が作った夜であったとは.
傷.
虫ピン、針先、痛み.
数について.
ハプニングについて.
物語、冒頭において記されている、この類の物語、愛の物語特有のハプニングについて